こんにちは、何切る筋肉モリモリマッチョマンのタケオしゃんです。
前作の『麻雀 傑作「何切る」300選』に続いて、続作(以後、ウザク本2)の何切るチェックの仕事を仰せつかることになりました。
僕がどのような工程で何切るのチェックをしているか?
実際の作業現場からレポートをお送りすることにします。どうぞお楽しみに。
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ファーストチェック
ウザクさんの原稿が福地さん経由で届きます。いきなり問題は解きません。じっくり寝かせて熟成させてから、というのは冗談で、その前に下ごしらえを済ませておきます。
チェック前の下ごしらえ
- 生原稿を整形する
- チェックシートの用意
以下、手順を解説します。
①生原稿を整形をする
問題のナンバリングやウザクさんの解答がパット見でわかるように、問題をかるく整形します。
整形例をご覧ください。原稿は、僕が用意したダミーです。実際に出題される問題とは違うので、心配ご無用です。
要所要所にマーカーで色を付けます。目的は、見落とし防止です。なにしろ、300問を超える超大作です。きちんとレイアウトされた校正レベルの原稿なら問題ないが、生原稿だとそうは問屋がおろしません。原稿をスクロールするだけで、どの問題を解いているかを余裕で見逃してしまいます(他の人がどうかは知らないですが)。
②チェックシートを用意する
IT三種の神器と言われているスプレッドシートで解答用のチェックシートを作ります。
総製作時間、1時間。こんな感じに仕上がります。なお、見せたらヤバイ部分は伏せてあります。製作者の怒りを買って消されるとマズイので^^;
僕の仕事内容は、次のようになります。
- 問題を解く
- ウザクさんの解答と照らし合わせる
- 一致しない解答をピックアップして報告する
原稿の問題数は全338問で、1回目のチェックでは一致しない問題が30問ありました(1周目)。
ショートコメント
自分感覚で独りよがりの解答があると、問題の汎用性に欠けることになります。「誰が解いても同じ解答になる(ことを目指す)」という本のコンセプトに違反してしまいます。
したがって、もう一度チェックをします(2周目)。初動で間違いを見つけて潰すことは、とても大切です。後の作業にも影響します。
読者の立場に立つ
誰のための本なのか?これを忘れてはいけません。
読者の立場になってチェックをする
本づくりの基本ですよ。自分の編集魂も「仕事も麻雀も丁寧に」とささやいてました。
最終的に、一致しない問題が30問から23問に減りました。これを福地さんに報告して、チェックは終了です。
作業時間は、一日2~3時間ペースで10日かかりました。
セカンドチェック
4日後に修正した原稿が送られてきました。いや~速いっすねえ^^;
と言っても、修正した問題をチェックするだけなので、作業は楽ちん。チョイチョイです。
削除された問題が25問、修正した問題が17問ありました。これで残りの問題数は313問です。まだ、13問余ってますね。
これをさらに、ウザクさんや福地さんが精査して、問題数を調整していくことになります。
傑作「何切る」300選(通称ウザク本)、地獄の何切る300本ノックで何切る筋肉をパンプアップ
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ウザク本2のすごいところ
このような過程を経て、ウザク本は余計な脂肪を削ぎ落としたアスリートのように筋肉質な本になっていきます。水増しでブヨブヨな300問じゃなく、ダイヤモンドのように圧縮凝縮された問題集なのです。
もう一つ、すごいところがあります。ツイッターで「これはウザク本で見た牌姿」「ウザク本にあるような何切る」というつぶやきを見かけることがあります。本書がどれだけ読まれているかがわかりますよね。で、本題です。
ウザク本2には、ウザク本2で見たことのある牌姿がウザク本2に収録されている
ということです。ウザク本2は、派生問題が随所に出てきます。同じ場所の筋肉を鍛えるのに、複数のメニューをこなすことに似てます。似た問題を用意することで、読者により理解を深めてもらうのが目的なのでは?と、僕は勝手に想像しています。
おわりに
本来ならやらなくても良い作業もありますが、読者の目に触れた時のプレッシャーは相当なものです。前作の時もそうでしたしたが、「俺と解答が違う!」「鳴きよりにしたら、こっちを切る」という意見を見るたびに、胃がキリキリしてました。ご意見・ご批判はとても参考になるので、ありがたいですが、やっぱりメンタルにきますね^^;
余談ですが、校正をゲラと呼称することもあります。ゲラとはゲラ刷りの略称で、試し刷りの意味です。出版界にはこんな噂話がまことしやかに流れています。「あまりに酷い校正を渡された編集者は、それを見ながらいつの間にかゲラゲラ笑い出す」という闇の伝説です。怖いですね。チビリそうです。
でも、ウザク本2に限ってはそんなことはなさそうです。良かった良かった。
それでは、また~
追記
いよいよ、ウザクの予約がamaozonで始まりました。 いよいよ発売。楽しみですね^^